2020年3月12日木曜日

新型コロナウイルスに関する事業者への支援策(資金繰り・融資編)

※画像をタップすると支援施策一覧 A4 2ページ PDF
http://kagaworld.or.jp/wp-content/uploads/2020/04/corona_kagacci.pdf



※画像は経産省支援パンフ(3/11)より。タップすると最新のPDFファイルが表示されます。

この記事では標記に含まれるものに加えて、加賀市の支援などローカルなものを含めた資金繰り・融資関連の支援策をご案内します。


1.信用保証協会による信用保証制度

 信用保証協会とは、中小企業が銀行などの民間金融機関から融資を受ける際に保証人となり、融資を受けやすくする公的な機関です。ただし、融資額に応じた保証料がかかります。後述する石川県制度融資の申込みでも使えます。

 なお、民間金融機関から借り入れに必要な信用保証制度の申請においては、実務上は民間金融機関が手続きを代行する場合もありますので、まずはメインバンクまたはもよりの金融機関(銀行・信金)にご相談することをおすすめします。


加賀市緊急経営安定融資信用保証料等補給金
 新型コロナウイルスに関連する保証制度を利用するときにかかる信用保証料は、加賀市の補助を受けることができます。


コロナウイルス関係保証制度とセーフティネット・危機関連の整理表(石川県保証協会)

新型コロナウイルスに係る保証制度の選択について(石川県保証協会)
http://www.cgc-ishikawa.or.jp/news/2019/200326_kenseidochart.pdf


(1)セーフティネット保証

セーフティネット保証とは?

 経営の安定に支障が生じている中小企業者を、一般保証(最大2.8億円)とは別枠の保証の対象とする資金繰り支援制度です。


セーフティネット保証4号


 幅広い業種で影響が生じている地域※について、一般枠とは別枠(最大2.8億円)で借入債務の100%を保証。
対象:売上高が▲20%以上減少等の場合
 ※3月2日(月)に全都道府県を指定
 ※4号は100%保証のため、既存の80%保証融資を借り換えることはできません。


セーフティネット保証5号

 特に重大な影響が生じている業種※について、一般枠とは別枠(最大2.8億円、4号と同枠)で借入債務の80%を保証。
対象:売上高が▲5%以上減少等の場合
※指定業種は下記サイトでPDF資料で発表されています。(4/10時点で738業種)
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sefu_net_5gou.htm

4号と5号の違い

(○…メリット ×…デメリット)

条件
 4号:○全業種を対象  ×売上20%以上減少
 5号:×指定業種に限る ○売上5%以上減少

保証割合
 4号:○100%保証 ×既存の80%保証融資から借換不可
 5号:×80%保証 ○既存の80%保証融資から借換しやすい

保証料 ※加賀市からの保証料全額補助があります(後述)
 4号:×0.50%
 5号:○0.40%


ご利用手続の流れ(4号・5号)

 対象となる中小企業者の方は、まずメインバンクや最寄りの金融機関等にご相談の上、事業所本店等(個人事業主の方は主たる事業所)所在地の市区町村に認定申請を行います。
  1. 4号認定申請様式(加賀市)セーフティネット4号の発動について(新型コロナウイルス関連)https://www.city.kaga.ishikawa.jp/keizaikankyou/shoukouroudou/safetynet4.html
  2. 5号認定申請様式(加賀市) セーフティネット保証関連(中小企業信用保険法第2条第5項第5号)認定申請書(イ)https://www.city.kaga.ishikawa.jp/keizaikankyou/shoukouroudou/safetynethosyouninnteishinnsei.html
 金融機関又は最寄りの信用保証協会に認定書を持参し、保証付き融資を申し込みます(事前相談も可)
※ご利用には、別途、金融機関、信用保証協会による審査があります。
※保証制度の詳細については、お近くの信用保証協会までお問合わせください。

売上高減少認定基準の緩和(3/13運用緩和後)

【対象となる方】
・新型コロナウイルス感染症の影響を受け、経営の安定に支障を生じている、次の方
①業歴3ヶ月以上1年1ヶ月未満の事業者
②前年以降の店舗増加等によって、単純な売上高等の前年比較では認定が困難な事業者

【認定基準】
(現状)対前年と比較
最近1ヶ月の売上高等と前年同月を比較+その後2ヶ月間(見込み)を含む3ヶ月の売上高等と前年同月を比較

↓(運用緩和)

(緩和後)新型コロナウイルスの影響を受ける前などを基準として比較
下記のいずれかの基準で比較し、売上高減少がある場合(セーフティネット保証4号は▲20%以上、同5号は▲5%以上、危機関連保証は▲15%以上)

(1)最近1ヶ月の売上高等と最近1ヶ月を含む最近3ヶ月間の平均売上高等を比較
(2)最近1ヶ月の売上高等と令和元年12月の売上高等を比較+その後2ヶ月間(見込み)を含む3ヶ月間の売上高等と令和元年12月の売上高等の3倍を比較
(3)最近1ヶ月の売上高等と令和元年10~12月の平均売上高等を比較+その後2ヶ月間(見込み)を含む3ヶ月の売上高等と令和元年10~12月の3ヶ月を比較


お問合せ先


  1. 中小企業金融相談窓口 03-3501-1544
  2. 石川県信用保証協会(営業部)
    1. 〒920-0918 石川県金沢市尾山町9番25号
    2. TEL 076-222-1522 FAX 076-222-1514
  3. 加賀市商工振興課 商工労働係(認定書の発行)
    1. 電話番号: 0761-72-7940
    2. FAX番号: 0761-72-7991

(2)危機関連保証

制度概要

東日本大震災やリーマンショックといった危機時に、全国・全業種※を対象として、信用保証協会が通常の保証限度額(2.8億円)及びセーフティネット保証の保証限度額(2.8億円)とは別枠(2.8億円)で借入債務の100%を保証する制度。※保証対象業種に限る。

対象中小企業者

指定案件に起因して、原則として、最近1か月間の売上高等が前年同月比で15%以上減少しており、かつ、その後2か月間を含む3か月間の売上高等が前年同期比で15%以上減少することが見込まれること。
 売上高等の減少について、市区町村長の認定(後述)が必要です。

内容(保証条件)

①対象資金:経営安定資金 
②保証割合:100%保証
③保証限度額:一般保証等とは別枠で2億8,000万円
【一般保証限度額】2億8,000万円以内と【セーフティネット保証限度額】2億8,000万円以内とあわせれば、2.8億×3=8.4億円以内の保証枠となります。
(出典)https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200311007/20200311007-1.pdf

加賀市の認定について

必要な書類をもって、加賀市商工振興課に提出します。
詳細や様式のダウンロードは加賀市ウェブサイトでご確認ください。
https://www.city.kaga.ishikawa.jp/keizaikankyou/shoukouroudou/kiki.html

もよりのお問合せ先

石川県信用保証協会(営業部)
〒920-0918 石川県金沢市尾山町9番25号
TEL 076-222-1522 FAX 076-222-1514

2.石川県制度融資

 制度融資は民間金融機関から借り入れることになるので、実務上は民間金融機関が認定などの手続きを代行することもありますので、まずはメインバンクまたはもよりの金融機関にご相談することをおすすめいたします。

(1)経営安定支援融資(緊急経営安定支援分)の拡充

【対象要件】次のいずれかの要件を充たす者

①最近3カ月の売上高が前年同期比に比して3%以上の減少
②売上原価の20%以上を占める原油原材料が最近1カ月間の対前年同期比で20%以上上昇しているにもかかわらず、製品等の価格に転嫁できない
③新型コロナウイルス感染症の発生に起因して最近1カ月間の売上が前年同期に比して3%以上減少(NEW)

【融資限度額】80,000千円(8,000万円)
【融資期間】7年以内(うち据置2年以内)
【利率】1.30%以内(保証協会付きの場合1.00%以内)
新型コロナウイルス感染症の影響の場合、1.00%以内(保証協会付きの場合1.00以内%)

詳細は別記事にしました。当所ブログ記事を御覧ください

(2)新型コロナウイルス感染症特別融資

※3/19報道 3/25受付開始

【対象】直近2週間から1か月間の売り上げが前年同期と比べて20%以上減少した事業者

【融資限度額】8,000万円
【金利】1%以内

【期間】10年(据え置き3年)
【信用保証料】免除

本制度と経営安定支援融資(緊急経営安定支援分 新型コロナウイルス対策)とのおおまかな違い

【売上減少要件】経営安定支援融資は▲3%減少に対して、本制度は▲20%減少と厳格。
【融資期間】経営安定支援融資は7年(据え置き2年)、本制度は10年(据え置き3年)と有利。
【保証料】経営安定支援融資は0.4%程度(セーフティネット5号保証の場合)かかりますが、本制度は免除と有利です。加賀市からのセーフティネット保証と危機関連保証には保証料全額補助を適用できるので実質同条件のようにみえますが、補助は後から入金であることや手続きのことが考えると、全額補助より免除のほうが有利です。
 また、セーフティネット保証等とは売上減少要件の対象となる期間が異なるのでご注意ください。

 3月9日に要件緩和した経営安定支援融資(緊急経営安定支援分)の新型コロナウイルス対策として融資実行済み分については、要件が合致すればこの制度に借り換えることが可能です。


(石川県サイト)新型コロナウィルス感染症の発生により経営に影響を受けている事業者の皆様へ
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kinyuu/kinyuu/korona.html
石川県経営支援課金融グループ
石川県金沢市鞍月1丁目1番地 電話番号:076-225-1522

3.日本政策金融公庫

新型コロナウイルスに関連する日本公庫の融資を受ける際は、加賀市の利子補給制度(1年)を受けることができます。
加賀市緊急経営安定融資信用保証料等補給金https://kagacci.blogspot.com/2020/03/blog-post_28.html

(1)経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)の要件緩和

 2月14日(金)より、セーフティネット貸付の要件を緩和し、「売上高が5%以上減少」といった数値要件にかかわらず、今後の影響が見込まれる事業者も含めて融資対象に。


セーフティネット貸付とは?

 社会的、経済的環境の変化などの外的要因により、一時的に売上の減少など業況悪化を来しているが、中期的には、その業績が回復し、かつ発展することが見込まれる中小企業者の経営基盤の強化を支援する融資制度。
※上記の「セーフティネット保証」とは異なります。

【資金の使いみち】運転資金、設備資金
【融資限度額】中小事業 7.2億円、国民事業4,800万円
【金利】基準金利:中小事業1.11%、国民事業1.91%
※令和2年2月3日時点、貸付期間・担保の有無等により変動
【お問合せ先】日本政策金融公庫 事業資金相談ダイヤル:0120-154-505


(2)衛生環境激変対策特別貸付

衛生環境激変対策特別貸付とは? 

感染症または食中毒の発生による衛生環境の著しい変化に起因して、一時的な業況悪化から衛生水準の維持向上に著しい支障を来している生活衛生関係営業者の経営の安定を図るための特別貸付制度。

【ご利用いただける方】

新型コロナウイルス感染症の発生により、一時的な業況悪化から資金繰りに支障を来している旅館業、飲食店営業及び喫茶店営業を営む方であって、次のいずれにも該当する方
  1. 最近1ヵ月間の売上高が前年または前々年の同期に比較して10%以上減少しており、かつ、今後も減少が見込まれること。
  2. 中長期的に業況が回復し発展することが見込まれること。
【資金の使いみち】運転資金
【融資限度額】別枠1,000万円(旅館業は別枠3,000万円)
【金利】基準金利:1.91%
ただし、振興計画の認定を受けた生活衛生同業組合の組合員の方については、基準金利-0.9% 
※令和2年2月3日時点、貸付期間・担保の有無等により変動

【お問合せ先】日本政策金融公庫 事業資金相談ダイヤル:0120-154-505

(3)マル経融資の金利引き下げ(新型コロナウイルス対策マル経)

※2020.03.11発表

マル経融資とは?

 小規模事業者経営改善資金融資(通称:マル経)は、商工会議所・商工会・都道府県商工会連合会の経営指導員による経営指導を受けた小規模事業者に対して、日本政策金融公庫が無担保・無保証人で融資を行う制度。


新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた特例措置

 新型コロナウイルス感染症の影響により売上が減少した小規模事業者の資金繰りを支援するため、別枠1,000万円の範囲内で当初3年間、通常の貸付金利から▲0.9%引下げする。加えて、据置期間を運転資金で3年以内、設備資金で4年以内に延長する。


【取り扱い期間】


2020年3月17日~3月31日(日本公庫受付分まで)
※1月29日以降に通常マル経の申込みをしている方が対策マル経に該当するときは、さかのぼって適用を受けることができます。

【ご利用いただける方】

新型コロナウイルス感染症の影響を受けた者のうち、最近1か月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している小規模事業者の方

【資金の使いみち】運転資金、設備資金

【融資限度額】別枠1,000万円
(ただし新型コロナウイルス感染症特別貸付と枠を合計限度とする場合あり)

【貸付期間】運転資金7年以内(据置3年)、設備資金10年以内(据置4年)

【金利】経営改善利率1.21%(令和2年3月10日時点)より当初3年間、▲0.9%引下げ(→0.31%に)

(4)無利子・無担保融資(新型コロナウイルス感染症特別貸付)

※2020.03.11発表

 日本政策金融公庫等が、新型コロナウイルス感染症による影響を受け業況が悪化した事業者(フリーランスを含む)に対し、融資枠別枠の制度を創設。信用力や担保に依らず一律金利とし、融資後3年間まで0.9%の金利引き下げを実施。

※さらに後述の特別利子補給制度を併用することで実質的な無利子化を実現

【融資対象】新型コロナウイルス感染症の影響を受けて一時的な悪化を来たし、次のいずれかに該当する方(個人事業主(フリーランス含み、小規模に限る)は、影響に対する定性的な説明でも柔軟に対応)
  1. 最近1ヶ月の売上高が前年又は前々年の同期と比較して5%以上減少した方
  2. 業歴3ヶ月以上1年1ヶ月未満の場合は、最近1ヶ月の売上高が、次のいずれかと比較して5%以上減少している方
    1. 過去3ヶ月(最近1ヶ月を含む。)の平均売上高
    2. 令和元年12月の売上高
    3. 令和元年10月~12月の売上高平均額
【資金の使いみち】運転資金、設備資金
【担保】無担保
【貸付期間】設備20年以内、運転15年以内(うち据置5年以内)
【融資限度額(別枠) 】中小事業3億円、国民事業6000万円
【金利】当初3年間 基準金利▲0.9%、4年目以降基準金利
 中小事業1.11%→0.21%、国民事業1.36%→0.46%
 (利下げ限度額:中小事業1億円、国民事業3000万円)
※令和2年3月2日時点、信用力や担保の有無にかかわらず利率は一律

【お問合せ先】
日本政策金融公庫 事業資金相談ダイヤル: 0120-154-505
令和2年1月29日以降に「新型コロナウイルスに関する経営相談窓口」等借入を行った場合も、要件に合致する場合は遡及適用が可能です。

日本公庫 新型コロナウイルス感染症特別貸付
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/covid_19_m.html

特別利子補給制度

 日本政策金融公庫等の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」により貸付を行った中小企業者等のうち、特に影響の大きいフリーランスを含む個人事業主、また売上高が急減した事業者などに対して、利子補給を行うことで資金繰り支援を実施。

【適用対象】
「新型コロナウイルス感染症特別貸付」により借入を行った中小企業者のうち、以下の要件を満たす方
①個人事業主(フリーランス含み、小規模に限る) : 要件なし
②小規模事業者(法人事業者) :売上高▲15%減少
③中小企業者(上記➀➁を除く事業者):売上高▲20%減少
※ 小規模要件
 ・製造業、建設業、運輸業、その他業種は従業員20名以下
 ・卸売業、小売業、サービス業は従業員5名以下
【利子補給】
・期間:借入後当初3年間
・補給対象上限:中小事業1億円、国民事業3000万円
※ 令和2年1月29日以降に、日本政策金融公庫等の「新型コロナウイルスに関する経営相談窓口」等経由で借入を行った方について、上記適用要件を満たす場合には本制度の遡及適用が可能です。
※利子補給の申請方法等、具体的な手続きについては、詳細が固まり次第中企庁HP等で公表予定です。
※特別利子補給制度が要件的に受けられない場合は、加賀市の1年利子補給制度を受けることができます。
加賀市緊急経営安定融資信用保証料等補給金https://kagacci.blogspot.com/2020/03/blog-post_28.html

【お問合せ先】
中小企業金融相談窓口 03ー3501ー1544
※ 平日・休日9時00分~17時00分

【日本公庫関連融資のお問い合わせ】
日本政策金融公庫
(国民生活事業)0120-112476 9:00~17:00 ※土日対応あり
(中小企業事業)0120-327790 9:00~17:00 ※土日対応あり
小松支店 国民生活事業 0761-21-9101
(マル経について)加賀商工会議所 中小企業相談所 0761-73-0001 ※土日対応あり

    4.金融機関等への配慮要請

     関係省庁は2月7日(金)、新型コロナウイルス感染症により事業者の資金繰りに重大な支障が生じることがないよう、関係機関と連携し、政府系金融機関等に対して要請を行いました。
     どんな配慮を要請しているの?…政府系金融機関等に以下の配慮を要請しております。
    1. 適時適切な貸出
    2. 返済猶予等の既往債務の条件変更
    3. 企業の実績に応じた十分な対応
    4. セーフティネット貸付の活用(日本政策金融公庫および沖縄振興開発金融公庫に対して)
     なお、民間金融機関に対しては、2月7日(金)、金融庁から、事業者への積極的な支援(事業者を訪問するなどの丁寧な経営相談、経営の継続に必要な資金の供給、既存融資の条件変更等)を要請しております。

    【お問合せ先】
    中小企業庁 事業環境部 金融課:03-3501-2876
    金融庁 監督局総務課 監督調査室:03-3506-63737

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    新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様への支援策まとめ