2013年1月1日火曜日

加賀商工会議所会頭年頭のごあいさつ


地域経済の活力向上に向けて
加賀商工会議所
会頭 新家 康三

平成二十五年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げますとともに、皆様方のご多幸を心からご祈念申し上げます。

さて、昨年の世相を表す漢字に「金」が選ばれましたが、世界に目を向けると、日本にとって大きな影響力を持つアメリカ合衆国や中国、更には韓国においてはトップの改選期にあたり、また、日本でも政権交代によって、国政に変化が起こる「選」の年になったとも感じられ、各国の動向とともに、大きな期待が渦巻いています。
一方、加賀市においては、北陸新幹線の金沢以西の工事着工が、中心線測量と言った具体的な工事が始まり、加賀エリアにも新幹線建設の槌音が響くこととなり、加賀温泉駅やその周辺整備をはじめ、南加賀道路の加賀インターまでの整備も加速されるのではないかと考えております。一方、国道八号線の「道の駅」を含めた賑わい創出事業は、平成25年度の加賀市への要望として加賀市長にも強く働きかけたところでありますが、加賀市においては、加賀温泉駅から国道までの土地利用を含めた大きな計画の中に位置づけた開発を計画中とのことであります。

 また、金沢駅開業が二〇一五年三月に予定されており、地域経済の活性化が大きく図られるものと期待され、商工会議所と致しましても、開業に向けた部会や委員会、若手後継者グループなどが交流人口の拡大を目指し、各種の事業を展開中であります。
こうした新幹線効果を永続的に享受するためには、金沢からの二次交通の確保とともに、加賀市全体が生き生きとした「交流空間」としての場づくりを推進し、多くの人々が訪れたくなる観光地づくりが必要であります。

 加賀市では、加賀温泉郷三温泉の総湯が整備され、大聖寺十万石城下町の藩邸跡周辺の整備や、橋立地区・奥山中東谷地区での伝統的建造物群保存整備、ゲートウェイとしての国道八号線の四車線化や南加賀道路の整備、日本風景街道への登録等も含めて、当市全体の魅力が飛躍的に高まっていくものと考えています。
また、古九谷に焦点を当てたブランド力の強化や、観光フィールド大学として若手世代へのプロモーション活動の実施、加賀のエリアカラーとしての赤瓦色による景観形成の促進や、越前・加賀宗教文化街道の整備による、広域連携と街道交流による誘客促進等の、活動目標の提示による「クール・加賀三〇〇万人構想」の推進など、ハード・ソフト両面にわたって計画が進められております。

こうした中で、商工会議所が今後ともその使命や役割を果していくためには、時代の変化に機敏に対応していくと共に、会員のニーズをしっかりと把握し、真に求められる事業に取り組み、地域の活力増進に務めていくことが必要であると考えています。
急速に進む少子高齢化や人口減少、長引くデフレによる財政のひっ迫、企業の海外進出による産業の空洞化が加速している中で、当所といたしましても、中小零細企業対策や、金融円滑化法後の金融対策の強化、政策提言活動の展開等、これまで以上に企業や地域の活性化を強力に推進していかなければならないと存じております。

更に、地域経済の活力の源として、経営革新かが元気塾や高校生・社会人向けの人財教育、異業種交流による人財育成事業を実施するほか、「食と器の魅力」や「自転車による環境観光都市形成」「地域活動育成」といった加賀市の新たな強みとなる資源を磨き上げようとする若者に対して支援し、他地域にはない魅力を発信して参りたいと存じます。

一方、各企業での未婚者の急増対策として始めました婚活プロジェクトは、五年目に入りますが、ようやく四組のカップルが結婚に結びつくといった成果も出始め、地域としての期待度も高まってきていることから、更に力を入れていきたいと存じます。
 本年も加賀商工会議所は地域の総合経済団体として、会員各位の英知を結集し、地域経済の発展に寄与したいと存じます。本年を更なる前進の年とするため、関係各位には一層のお引き立てをお願い申しあげます。

S.I