2024年9月12日木曜日

毎年9月は「価格交渉促進月間」です(経済産業省のお知らせ)



 我が国経済は、過去30年もの長きに渡り、デフレが続いておりましたが、今年の春季労使交渉では、中小企業で4.45%と33年ぶりの高い水準の賃上げが実現するなど、潮目の変化を迎えております。今後とも賃上げ、消費・経済の拡大を継続するためには、賃上げ原資の確保が不可欠であり、その鍵となるのが継続的な価格転嫁であります。この9月は、2024年度下期の価格改定時期を迎える企業も多く、価格交渉・価格転嫁にとり大事な時期となります。 

 価格転嫁の現状をみると、受注企業が、「コスト上昇額のうち価格転嫁できた額」の割合は、5割を下回っており、一層の転嫁率の向上が課題です。政府としては、2021年9月以来、毎年9月と3月を「価格交渉促進月間」(以下、「月間」という)と位置づけ、「月間」終了後に、受注側中小企業の皆様を対象に、実際に価格交渉及び価格転嫁ができたかアンケート調査等を実施し、その結果を公表しています。また、取組状況が芳しくない発注企業トップに対しては、下請中小企業振興法に基づき、事業所管大臣名での指導・助言を行い、自発的な改善を促しております。 

 昨年11月には、内閣官房及び公正取引委員会において、「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針(以下、「指針」)」を公表しました。この指針は、特に価格転嫁が難しいとされる労務費の適切な価格転嫁について、発注企業、受注企業双方が採るべき行動を示しています。この指針の活用促進も図りながら、一層の価格交渉・価格転嫁をしやすい環境の整備に取り組んでまいります。 

 事業者の皆様におかれましては、代表者の方から現場の調達担当の方々まで、下記について特段の御配慮をお願い申し上げます。 


記 

1. 価格交渉及び価格転嫁への積極的な対応 

 発注企業におかれては、サプライチェーン全体の競争力向上や、共存共栄の関係の構築に向けて、下請中小企業振興法に基づく「振興基準」に則り、受注側中小企業からの価格交渉の申し出には遅滞なく応じ、価格転嫁に積極的に応じる等、適切に対応すること。 

 受注側中小企業におかれては、発注企業に対し、積極的に価格交渉を申し出るとともに、「下請かけこみ寺」や、よろず支援拠点「価格転嫁サポート窓口」といった相談窓口を活用すること。 

下請かけこみ寺
https://www.zenkyo.or.jp/kakekomi/

価格転嫁サポート窓口
https://www.meti.go.jp/press/2023/07/20230710003/20230710003.html

2. 労務費に関する「指針」の周知、及び積極的な活用 

 労務費に関する「指針」に内容について、価格交渉の場において積極的に活用すること。具体的には、

 (1)発注企業におかれては、「指針」に基づいて、受注側中小企業との価格交渉に応じるとともに、当該受注側中小企業に対して、さらにその受注企業に対しても、価格交渉・価格転嫁を行うよう促すこと。 

(2)受注側中小企業におかれては、「指針」を価格交渉の材料として活用すること。

労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針
https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/romuhitenka.html


3. フォローアップ調査に対する御協力(受注側中小企業の皆様) 

 9月下旬以降、受注側中小企業の皆様を対象に実施を予定している、下記内容の調査の依頼があった場合、対象となった方におかれては、積極的に回答すること。 

(1)アンケート調査(受注側中小企業30万社が調査対象。その対象者は、主要な発注者(最大3社。国・地方自治体も含む)との価格交渉や価格転嫁の状況について回答。) 

(2)下請Gメンによる重点的なヒアリング(受注側中小企業2000社程度へのヒアリング。価格交渉や価格転嫁の実態を聴取。) 

 なお、本調査の結果に基づき、発注企業ごとの価格交渉・価格転嫁の取組状況を公表するとともに、かつ、その結果が芳しくない発注企業に対しては、下請中企業振興法に基づく、事業所管大臣名での指導・助言を実施する等、発注企業における自発的な取引方針の改善を促す上での重要な情報となるため、調査の対象となった方におかれては、可能な限り正確、かつ、詳細に本調査に回答すること。 


(参考)令和6年3月の価格交渉促進月間のアンケート結果(PDF)
https://www.meti.go.jp/press/2024/06/20240621002/20240621002-ar.pdf


4. パートナーシップ構築宣言への参加 

 サプライチェーン全体の価値の増大、共存共栄を目指すことを目的として、政府が推進する「パートナーシップ構築宣言」に未参加の企業におかれては、参加について検討すること。既に宣言されている企業におかれては、自社のパートナーシップ構築宣言について、調達担当の方々へ、一層の浸透を図ること。

パートナーシップ構築宣言
https://www.biz-partnership.jp/


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