2020年4月14日火曜日

新型コロナウイルス感染症対策としてのテレワーク・在宅勤務等の推進について

 みなさまご存知のとおり、新型コロナウイルス感染症についてさる4月7日に、東京都・大阪府・埼玉県・千葉県・神奈川県・兵庫県・福岡県の7都府県を対象とする「緊急事態宣言」が発出されました。この緊急事態を1カ月で終えるためには、最低7割、極力8割の、人と人との接触削減が必要であり、事業者の皆様のご協力が不可欠であるとして、4月13日に梶山経済産業大臣より、三村日本商工会議所会頭宛に「在宅勤務等の推進」について要請がありました。

新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言を受けて在宅勤務等の推進について関係団体に要請しました

 石川県については現在、国の緊急事態宣言の対象ではないものの、4月13日に県独自の緊急事態宣言が出されております。

 つきましては、事業所のみなさまに、人と人との接触を減らし、「密閉・密集・密接」を避けるための有効な手段として、テレワーク・在宅勤務の採用についてご検討いただけますよう、下記のとおりご案内申しあげます。

○経済産業大臣からの商工会議所等にあてた要請文
「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言を受けた在宅勤務等の推進について」

 新型コロナウイルス感染症について、全国的かつ急速な蔓延による国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある事態が発生したため、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法第32条第1項の規定に基づき、令和二年四月七日に緊急事態宣言が発出されました。この緊急事態を1 ヶ月で終えるためには、最低7割、極力8割の、人と人との接触削減が必要であり、緊急事態宣言の区域内では、既に多くの企業が自宅勤務などを実施していただいております。

 しかし、7割から8割の削減目標との関係では、未だ通勤者の減少が十分ではない面もあることから、感染症拡大防止のため、貴団体におかれましては、貴団体所属の企業等に対して、①オフィスでの仕事は、原則として、自宅で行えるようにすること、②やむを得ず出勤が必要な場合も、出勤者を最低7割は減らすことなど、最大限のご協力をお願いします。
 これに関し、オフィスでの業務の在宅化のために必要となる、テレワーク導入をはじめとする対策については、政府としても、4月7日に策定した「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策(以下、緊急経済対策という)」に、テレワークに関する補助金の拡充や相談体制の強化を盛り込んだところであり、これらを迅速に実行し、中小企業・小規模事業者等のテレワーク環境の整備を全力で支援してまいります。
 在宅勤務への対応が難しい事業者の方々におかれても、密閉・密集・密接を防ぐ等の工夫をお願いいたします。緊急経済対策では、従事人数の密度を下げるためのプロセス改善のための投資や感染症予防に資する備品の購入等にもご利用いただける補助金の拡充を盛り込んでいます。また、この1ヶ月の出勤人数を最小化するために休業される場合は雇用調整助成金がご利用いただけます。

 また、売上高が前年同月比で 50%以上減少する場合は、新たに創設する持続化給付金の対象となります。

 日本の経済・社会を支えている中小企業・小規模事業者等の皆様の事業継続を、政府としても全力で支援し、状況をフォローしてまいりますので、この緊急事態を乗り切るため、最大限のご協力をお願いいたします。

(参考1)新型コロナウイルス感染症関連の支援策

以下の中小企業庁ホームページにて最新情報を掲載しています。在宅勤務等に資する支援策についても、随時、情報を更新してまいります。

(参考2)中小企業のテレワーク導入に向けた緊急支援施策

別紙1をご覧下さい。

(参考3)中小企業・小規模事業者向けパンフレット

テレワーク活用等による通勤削減・人と人との接触削減のお願い事項を分かりやすいパンフレットにまとめています。別紙2をご覧下さい。

(参考4)感染症対策に必要な取組を行う場合の支援策

密閉・密集・密接を防ぐために投資を行い、非対面・遠隔型のサービスへ転換を図る場合等には、中小企業生産性革命推進事業の補助金(ものづくり・商業・サービス補助金、持続化補助金、IT 導入補助金)がご活用いただけます。
※感染症予防対策の取組の例
・地域の複数の飲食店が共同でテイクアウトメニューを開発し、タクシー会社と連携した宅配サービスを行う。
・飲食店が、換気扇やパーティションを取り付けて店内での感染症予防対策を施す。
・小売店が、店舗販売の需要減少を補うために、インターネット販売を強化する。
・旅館が、飛沫防止シートや自動チェックイン機を導入する。
・製造業が、対面での営業は行わず、ウェブ展示会等のサービスを活用する。
・ライブハウスが、無観客ライブをVR配信する。

別紙1 中小企業のテレワーク導入に向けた緊急支援施策

1.テレワーク導入費用に対する支援の抜本強化

(1)ITツールの導入補助による生産性向上支援(経済産業省)

〇中小企業の生産性向上投資に対して補助する「中小企業生産性革命推進事業」【令和元年度補正3600億円】に関して、感染症の影響を乗り越えるための投資に対しては、補助率等を引き上げた「特別枠」【令和2年度補正で700億円積み増し】を創設。

〇例えば、テレワーク環境の整備のためのITツール導入に対しては、補助率を従来の1/2 から 2/3 に引き上げ。さらに、パソコンやタブレット端末等のハードウェアのレンタルについても補助対象として追加。4月7日に遡って遡及適用。
中小企業生産性革命推進事業 令和元年度補正 3600億円
特別枠の創設 令和2年度補正 700億円

(2)テレワーク導入費用助成による働き方改革推進支援(厚生労働省)

〇テレワーク用のIT機器の他、テレワーク導入のための就業規則・労使協定等の作成、労務管理担当者や労働者に対する研修、外部専門家によるコンサルティング等に係る費用を助成。
働き方改革推進支援助成金(テレワークコース) 労働保険特別会計 令和2年度当初 1.0億円内数
働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)の拡充 令和2年度補正 10億円

(3)テレワーク等のデジタル化投資を促進する税制措置(経産省・総務省)

〇中小企業経営強化税制に新たな類型を追加し、事業プロセスの①遠隔操作、②可視化、③自動制御化を可能とする設備投資に対し、即時償却または7%の税額控除(資本金3000万円以下の中小企業者等の場合は10%)を認める。

2.官民で連携した中小企業への専門家支援体制の抜本強化

(1)テレワーク専門家ネットワークの整備と専門家派遣の拡充(総務省)

〇中小企業支援の担い手となる全国各地の中小企業を支える団体(商工会議所、社労士、ITコーディネータ等)の窓口をネットワーク化し、中小企業が最寄りの窓口にテレワーク導入に係る相談を行える体制を整備(テレワーク・サポートネットワーク)。ネットワークに参加する団体窓口に対して、普及活動に必要となる費用・ノウハウ等を支援。窓口間で相互連携が行えるようにする。
〇また、さらにテレワーク導入に取り組もうとする中小企業に対する、専門家派遣による伴走支援を拡充。ネットワーク窓口における相談対応(電話相談等を含む)からシームレスに専門家派遣につながるようにする。
 令和2年度当初 2.5億円内数
 令和2年度補正 3.5億円

(2)テレワーク導入に係る労務等の相談対応の実施(厚生労働省)

〇テレワーク導入にあたっては、適正な労務管理を行うための規定整備等も課題であり、中小企業の労務等に係る相談対応を行う相談センターの体制を拡充する。
労働保険特別会計 令和2年度当初 0.5億円内数

(3)サイバーセキュリティ専門家の派遣(経済産業省)

〇情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)を中小企業に派遣し、テレワーク等のITシステムの基本的なセキュリティ対策を確認する取り組みを実施。また、中小企業へのセキュリティの普及啓発や情報共有を行うため、全国各地でセキュリティコミュニティの形成や取組の拡大に向けた支援を実施。
令和2年度補正 7.7億円

(4)「中小企業デジタル化応援隊」に対する活動支援(経済産業省)

〇中小企業のデジタル化・IT活用について、専門的なサポートを充実させるため、フリーランスや兼業・副業人材等を含めたIT専門家を「中小企業デジタル化応援隊」として選定。
〇IT専門家が、テレワーク導入相談等の支援サービスを中小企業に提供した場合に、定型業務毎に定める単価と支援実績等に応じて定額を補助。
 令和2年度補正 100億円

(5)民間支援情報の集約と提供の強化(経済産業省・総務省)

〇今般の新型コロナ感染症対策においては、数多くの民間IT企業等も中小企業に対する独自の支援を実施。IT業界団体等とも連携し、民間IT企業等におけるテレワーク導入支援情報を集約し、ポータルサイト(民間支援情報ナビ)から支援情報や支援民間企業へのアクセス方法を検索できるような形で提供。
※4 月 12 日現在、テレワーク支援 304 件を含 507 件の民間支援情報を集約。

別紙2 中小・小規模事業者の皆様向け 通勤削減・人と人との接触削減のお願い


 新型コロナウイルスの感染が拡大している緊急事態を脱するためには、国民の皆様に、今すぐ、人と人との接触を、最
低7割、極力8割削減していただくことが不可欠です。
 中小・小規模事業者の皆様にも、オフィスでの仕事は、原則自宅で行い、どうしても出勤が必要な場合も、出勤者を
最低7割削減するようお願いします。
 取引先含め1社でも多くの事業者の皆様が事業継続できるよう、ご協力をお願いいたします。

今すぐできる、5つのアクション!

①オフィスでの仕事は原則自宅で

 報告・連絡・相談は、電話やビデオ会議、電子メール、FAXを使って自宅でできます。
 事務作業の一部も、セキュリティの確保された各自宅のパソコンやスマートフォンで作業ができないか、検討をお願いします。

②パソコン・スマートフォンを使った会議も

資料を共有し、複数人でリモート会議ができます。無料ツールも多く出ています。

③書類の保存・共有もインターネットで

インターネット上に書類を保存できるサービス(クラウド)を利用できます。
自宅からもパソコンやスマートフォンで確認・編集ができます。

④3密(密閉、密集、密接)を回避

やむを得ず出勤する場合も、同時に大人数が出社しないようローテーションで勤務する、社員同士に十分な距離を取る、公共交通機関ではなく自転車等で出勤する、といった対応が可能です。
工場や店舗では、頻繁に換気することが有効です。
取引先との面会での打合せをビデオ会議に代え、オフィスへの立ち寄りを避ければ、移動を減らせます。
窓口・精算業務では、キャッシュレスや飛沫防止シートを活用し、直接の接触を避けられます。

⑤相互の助け合い

職場内で、家庭内で、世代を超えて、パソコンなどの使い方を教えあい、接触を避けるアイデアを共有し、感染拡大を防止しましょう。


通勤削減・接触削減に向け中小企業を全力で支援します

テレワークのコスト負担が大きい!

⇒ 補助・助成制度をご活用下さい。
■IT導入補助金
テレワークに必要なハードウェア(パソコン、タブレット端末等)のレンタル費用や、ITツールの導入費用等の3分の2を最大450万円補助します。4月7日以降に発生した経費が対象になります。
※詳細は、まもなく事務局HPに掲載します。

■働き方改革推進支援助成金(テレワークコース等)
新たなにテレワークを導入した中小企業に対して、テレワーク用通信機器の導入等にかかる費用を助成します。
※詳細は、事務局HPをご覧ください。

どうやったらテレワークしていいか分からない!

⇒テレワークの導入に関する相談は、テレワークマネージャー派遣事業をご活用ください。
テレワークの知見、ノウハウ等を有する専門家が無料で、テレワークの導入に関するアドバイス等を実施します。
※詳細は、事務局HPをご覧下さい。
⇒労務管理に関する相談は、テレワーク相談センターをご活用下さい。
テレワークに関する相談に電話(0120-91-6479)で応じます。
※詳細は、事務局HPをご覧下さい。


休業も検討したい!

⇒雇用調整助成金をご活用ください。
一時的な休業等の際、労働者の雇用維持を図った場合に、休業手
当、賃金等の一部を助成します。
※詳細は、厚生労働省HPをご覧下さい。