7月11日(水)、金沢ニューグランドホテルにおいて、石川県商工会議所連合会会頭・副会頭会議が谷本県知事をゲストとして開催され、新家会頭をはじめ、県内の商工会議所会頭・副会頭及び専務理事、事務局長など45名が出席した。
冒頭、深山県連会頭が、来年3月に切れる金融円滑化法について、9月以降企業の金融支援についてより注視していく必要があるとした。また、産業面においても、次世代産業への支援体制の充実及び、北陸新幹線の金沢・敦賀間の新規着工認可によってその効果が石川県全域に波及するよう県への支援を要望した。この後、谷本石川県知事に「最近の県政の課題について」と題した講話を頂いた。講和終了後、各会議所の会頭がそれぞれの課題について知事に意見・要望した。
知事講和要旨
北陸新幹線の概要
北陸新幹線については、平成27年3月に金沢開業が予定されているが、6月28日に金沢・敦賀間の新規着工認可が決定し、昭和48年の整備計画決定以来、約40年もの年月を経て、県民の悲願が実現することとなった。また、敦賀以西のルートについても、全線開通による効果を早く共有したいとして、関西経済界も、大きな関心を以って、共に要望活動に協力いただいている。早期実現を図りたい。更に、北陸新幹線は、広域交流基盤整備の総仕上げとして、STEP21による新幹線を活用した双方向による交流人口拡大計画を実施している。新幹線の車両や駅舎についても、石川の伝統工芸を活用し、風情のあるものにしたい。
港湾整備
金沢港の整備については、国際物流拠点を目指して、国際航路の充実を図っており、現在、コンテナ定期航路は史上最多の週9便となり、重要港湾全国103港中第2位となっている。県内企業の利用率も年々増加し、コンテナで23年度は輸出で42%となっている。また、クルーズ船寄港数も中心市街地から4~5キロと近接した市に立地しており、年平均11回寄港しており、本州日本海側で第2位となっている。各会議所の皆さんも更なる活用をお願いしたい。
小松空港の貨物便の充実
小松空港の貨物便については、平成6年7月にカーゴルックス航空が就航し、平成23年10月に、欧州路線週3便に加え、北米便が就航した。この北米便については、週1便では、欠航や積み残しなどのリスクが大きいとの荷主企業の声により、週2便化を要請している。また、ルクセンブルグとの地域間交流の強化について双方での合意書の締結を図り、経済・文化等の幅広い分野における交流の充実に向け、協力をお願いしたい。
各会議所要望要旨
加賀商工会議所
越前加賀広域観光に対する支援について
知事におかれては福井県と連携して「越前加賀広域観光推進協議会」をたちあげられ、広域観光を積極的に進められておられ感謝している。これに関連して「加賀道の駅」の建設計画において、施設内に広域観光情報の発信機能をもたせたいと考えており、このことについてご支援願いたい。
小松商工会議所
小松空港の今後の展望について
カーゴルックスに対する働きかけやルクセンブルグとの交流に対するご支援については、深く感謝すると共に、更なる小松空港関連施策に対する国際化支援について、ご要望申し上げると共に、駐車場の拡充整備についてもお願いしたい。
七尾商工会議所
JR七尾線・のと鉄道の利用推進への取り組みについて
平成26年度北陸新幹線金沢開業を目前に控え、のと鉄道の各駅や和倉温泉駅を花木で飾る「能登の鉄道“花回廊”事業」及び「車内語り部」による「おもてなし列車」の試行実験などを盛り込んだ「能登の鉄道“二次交通魅力アップ”事業」を主要事業とする「能登のふるさと鉄道活性化プロジェクト」に対する支援をお願いしたい。
輪島商工会議所
能登地区の活性化について
過疎化・少子高齢化により経営難が続いている地域住民の生活に欠かせない中小零細事業者の事業継続支援、引いては過疎地域の活性化策について支援をお願いしたい。また、金沢駅から移動するのに1時間以上かかる地域について、新幹線開業効果を高めるためにも、アクセス向上など2次交通の整備促進の強化策をお願いしたい。
珠洲商工会議所
世界農業遺産など能登文化の発信支援について
「揚げ浜塩田」や「棚田」、「あえのこと」など世界農業遺産に認定された「能登の里山里海」は能登固有の文化財であり、当地が誇る魅力として発信力を高めていかねばならない。
そこで、首都圏に向けた県政出前講座など、能登文化の発信強化に係る支援をお願いしたい。
白山商工会議所
北陸新幹線金沢開業に向けた課題について
新幹線開業に向けた在来線の機能強化や新しい2次交通システムの検討、また、広域連携の強化を中心とした多様な観光プランの策定などあらゆる角度からの支援をお願いしたい。
(Y.T)
(Y.T)